なぜ自治体がコワーキングスペースを支援するのか
自治体がコワーキングスペースを支援するというのは、珍しい事ではなくなりました。実際に、どんな取り組みを行っているのか調べた経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事ではなぜ自治体がコワーキングスペースを支援するのか、どんな自治体が参加しているのかを紹介します。興味のある人はぜひ読んでみて下さい。
目次
コワーキングスペースを支援する自治体が増えている
以前に比べて、コワーキングスペースを支援する自治体は増え続けています。では、どんな自治体が支援を行っているのか、一部を紹介します。
山梨市
まず山梨県で、「やまなし二拠点居住拠点整備推進事業費補助金」という支援を行っています。サテライトオフィスなどを整備する事業に対して補助が行われますので、コワーキングスペースを開く場合にはチェックしておきましょう。
また山梨市には「山梨市企業立地促進事業助成金」という制度もあります。新しく開く場合には、この助成金制度の対象になる可能性もありますね。市だけではなく、県にも同様の制度が用意されています。
豊橋市
令和3年4月から、「豊橋市サテライトオフィス誘致補助金」がスタート。開設準備事業、管理運営事業がそれぞれ対象になります。豊橋市は、民間のコワーキングスペースも多く、それぞれ利用者も多いです。
また、豊橋市では支援だけではなく、自治体もコワーキングスペースを開く実証実験を行いました。他の自治体と比べて、コワーキングスペースに対する認知度が高いと言えますね。
札幌市
札幌市は、札幌駅や大通駅を中心に、積雪に備えたインフラ整備が行われています。それでいて人件費も安く安定しているため、コールセンターが多い土地として知られていますね。また移住先としても札幌は人気があり、市内にも複数のコワーキングスペースが存在。
そんな札幌には「イノベーション拠点立地促進補助」が用意されています。コワーキングスペースや展示スペース、セミナースペースなど、幅広いジャンルの補助を行っています。
「自治体がコワーキングスペースを支援するメリットとは」
移住者の誘致が期待出来る
特に地方の場合、移住者の誘致は大きな課題となっています。中には、人材の流出が止まらず、人口が減り続けているところも、少なくはありません。今の時代さまざまな格差が話題になりますが、人口密度の格差も大きな問題ですね。
そんな中、コロナ禍以降は、リモートワークが世に広がりました。全く出社せずに、全てを在宅で行っているという会社員も増えてきています。ネットさえあれば、どこでも働ける世の中になりつつある今、注目されているのが地方への移住。都会に比べて家賃が安く、静かな生活が出来ると人気があります。
とはいえ、家の中でずっと作業をしているのも、気が滅入るもの。その点、コワーキングスペースなら、他の利用者と交流を持つ事が出来ます。また、生活しやすい地方で、なおかつおしゃれなスペースで仕事をする。そんなやりがいを求める方も、増えてきています。
企業の誘致が期待出来る
人が増えれば、それだけ多くのお金が動く事になります。人が増えれば、それだけ関わる会社も増えるという事ですね。地方で移住者誘致に成功しているところは、結果として企業の誘致にも成功しています。多くの成功例がある中、やはり企業誘致にも期待が高まるというものです。
企業の誘致は、税収のアップにつながるだけではありません。地域の雇用も増えますし、結果として地域全体が賑わっていきます。そうすると、人材の流出も防ぎやすくなるなど、さまざまな恩恵をもたらします。
知名度の向上につながる
大きな企業が入居したり、契約をすれば、知名度の向上につながります。例えば、ふるさと納税をきっかけに知名度の上がった自治体はたくさんありますよね。小さな自治体だったとしても、知名度が上がれば先に紹介した移住者や企業誘致にも期待が出来るようになります。
他にも、知名度が上がる事によるメリットは数え切れません。例えば特産品の物販一つでも、見てもらえる確率はぐっと上がるのです。
今後自治体に求められる姿勢とは
今は開業や事業の継続に対する支援を行っていますが、今後はさらに多角的な姿勢が求められるようになりそうです。例えば、移住者誘致に積極的なコワーキングスペースがあったとしても、それだけでは移住のきっかけにはなりません。利用者が借りると割引されるマンスリーマンションや、交流会などさまざまな要素が重なって、初めて移住の検討が始まるわけです。
このように、コワーキングスペースだけでは達成出来ない事も、他の分野と重ねる事で、また違った展望が開けていきます。今後の自治体に求められるのは、こういった多角的に支援を行う姿勢ではないでしょうか。
まとめ
今回は、なぜ自治体がコワーキングスペースを支援するのか紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。コワーキングスペースを支援している自治体は、そもそも移住支援も手厚いところが多いです。広い目線で見る事で、また違った発見がありそうですね。